JA全農ミートフーズ株式会社

相場

2021年12月
牛肉

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供給

1.国産

  • 令和3年10月の成牛と畜頭数は、90.4千頭(前年同月比96.4%)と前年をわずかに下回った。
    内訳を見ると、交雑牛は20.0千頭(同101.6%)と前年をわずかに上回ったが、和牛40.6千頭(前年同月比94.0%)・乳牛去勢12.8千頭(同 94.5%)と前年を下回った。
  • 令和3年11月の成牛と畜頭数は、速報値(11/30まで集計)で98.3千頭(前年比93.5%)で、前年をかなり下回った。
  • (独)農畜産業振興機構が11月25日に公表した牛肉の需給予測によると、12月の出荷頭数は和牛・交雑牛の出荷頭数の増加により、前年をやや上回るとともに、3か月平均(10~12月)では、和牛・交雑牛の出荷頭数の増加で、出荷頭数(前年同期比100.4%)・生産量(同100.5%)ともに前年同期をわずかに上回ると見込んでいる。

2.輸入

  • 令和3年10月の輸入通関実績によると牛肉輸入量は全体で55.2千㌧(前年比108.3%、前月比109.1%)と前年をかなりの程度上回った。内訳は現地価格の高騰によりチルドは20.5千トン(前年比96.0%、前月比84.1%)と前年をわずかに下回り、コロナ禍で前年に大きく数量を減らしたフローズンは34.7千㌧(前年比117.3%、前月比132.5%)と前年を上回った。
    輸入量を主な国別でみると、チルドは米国11.2千㌧(前年比 124.6%)、豪州6.9千㌧(同 64.3%)、カナダ1.0千㌧(同 162.9%)、フローズンは豪州16.4千㌧(前年比 138.8%)、米国9.3千㌧(同 71.5%)、カナダ3.7千㌧(同 127.1%)、ニュージーランド1.7千㌧(同 262.0%)メキシコ1.4千㌧(同 207.6%)と、チルドはカナダ、フローズンはニュージーランド、メキシコの伸びが目立つ。
  • (独)農畜産業振興機構が11月25日に公表した牛肉の需給予測によると、11月の輸入量は、豪州および米国における現地価格の高騰等の影響で、チルド・フローズンともに、前年を下回ると予測している。12月の輸入量について、チルドは前月に続き現地価格の高騰の影響でかなり大きく前年を下回り、フローズンは現地価格の高騰が続く豪州産は減少が見込まれるものの、他の生産国での代替で前年をかなり上回る輸入量となるものと予測している。
    この結果、10~12月の3か月平均では、輸入量全体では、ほぼ前年並み(前年比100.5%)を維持するが、チルドは前年同期をかなりの程度下回り(同93.1%)、フローズンは前年同期をかなりの程度上回る(同106.4%)こととなり、フローズンが牽引する形で輸入量は増加傾向と予測している。

需要

1.家計消費

  • 総務省発表の令和3年9月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり牛肉購入量は504g(前年比95.5%)、支出金額が1,811円(同100.6%)となり、支出金額は前年同月を上回ったものの、購入量は前月に続き2か月連続で前年同月を下回った。(※前々年度同月比:購入量 104.1%、金額 116.1%)

2.小売動向

10月概況

  • 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の10月の販売統計速報によると畜産部門の売上高は1,140億円(前年同月比99.3%、既存店ベース98.3%)と前年同月を下回った。牛肉・豚肉とも、特に輸入物を中心とした価格の上昇傾向により販売の伸び悩みが報告されている。
  • 日本チェーンストア協会が公表した9月販売概況によると、畜産品の売上は872億円(店舗調整後で前年同月比103.2%)で、前年を上回った。
    前月に続き鶏卵は好調で、鶏肉の荷動きも比較的良好ながら、牛肉・豚肉・ハム・ソーセージ類の鈍い荷動きが報告されている。

3.外食

10月概況

  • 日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場調査10月度結果報告によると、9月末には全国的な「緊急事態宣言」および「まん延防止等重点措置」が解除されたことに加え、10月下旬には首都圏1都3県と大阪府における時短営業要請も解除されたが、全体売上では、ほぼ前年並となる99.5%、コロナ禍前の前々年比では93.9%といまだ回復途上となった。業態別では、①ファーストフードの全体売上は、テイクアウト・デリバリー需要が好調な洋風(前年比111.8%、前々年比122.2%)が牽引役となり、全業態で唯一前年比および前々年比を上回った。このうち牛丼等の和風は営業時間短縮・店舗数減少等の影響から売上高は前年比98.1%とどまっている。
    他業態では、外食産業には致命的といえる酒類提供の制限・時短営業が一部地域で続くなか、②ファミリーレストラン全体での売上は前年比93.5%・前々年比84.1%と足踏み状態が続くが、そのなかで焼肉は前年比96.7%・前々年比100.4%と善戦が目立つ。その他の業態を見ると③ディナーレストランでは前年比89.9%・前々年比74.0%、④喫茶では前年比96.5%・前々年比76.9%、⑤居酒屋では前年比64.9%・前々年比50.3%と、依然として、前年比・前々年比ともに下回る厳しい情勢が続いている。

在庫

1.在庫

  • (独)農畜産業振興機構が11月25日に公表した牛肉の需給予測によると、令和3年10月末の推定期末在庫量は147.6千㌧(前年比110.9%、前月比103.4%)と前年をやや上回った。内訳は、輸入品在庫が133.0千㌧(前年比108.7%、前月比103.5%)、国産品在庫が14.6千㌧(同135.6%、前月比102.1)となり、輸入品・国産品ともに前年績を上回った。なお、同機構によれば、国産品と輸入品を合わせた今後の期末在庫の推移は、11月が147.5千㌧(同115.6%)、12月が148.4㌧(同119.2%)と、前年を上回ると予測している。

枝肉相場

1. R3年11月速報値

  • 令和3年11月の東京市場枝肉卸売価格(速報値11/30時点)は、和牛去勢A5が2,708円(前年比98.9%)、和牛去勢A4が2,455円(同98.4%)、和牛去勢A3が2,215円(同 96.8%)、交雑牛B3が1,440円(同 90.3%)、乳牛去勢B2が1,012円(同106.0%)であった。

2. R3年12月予測

  • (独)農畜産業振興機構が11月25日に公表した12月の国内出荷予測頭数を品種別にみると、和牛が51.4千頭(前年比108.6%)、交雑牛が23.5千頭(同 109.8%)、乳用牛が25.8千頭(同 94.1%)と、乳用牛以外は前年を上回り、全体では102.3千頭と出荷頭数(同 104.9%)・生産量(同105.5%)ともに前年を上回ると予測している。
  • 11月は、緊急事態宣言が解除されたことで外食業態を中心に需要は回復傾向となる中、和牛は出荷頭数不足により堅調な推移を続け、現地価格の高止まりによる品薄状態が続く輸入牛の影響で、乳牛去勢は強含みな展開となった。その一方、出荷頭数が前年を上回った交雑牛は軟調な推移となった。12月は輸入牛の品薄状態が続くなか、更なる外食需要の回復が見込まれるとともに、クリスマスや年末・年始の季節需要が本格化し、和牛・交雑牛・乳牛去勢全てで強含みな相場展開が予測される。なお、11月下旬に発生したカナダでの洪水による影響や、新型コロナウイルス感染の影響に伴う行政対応による枝肉相場への影響には引続き注視が必要である。
枝肉相場予想:東京市場【税込】
10月実績 11月速報値 12月予測 1月予測
和牛去勢「A-5」 2,750円
(104.4%)
2,708円
(98.9%)
2,800円
2,650円
和牛去勢「A-4」 2,331円
(100.0%)
2,455円
(98.4%)
2,600円
2,450円
交雑去勢「B-3」 1,402円
(99.2%)
1,440円
(90.3%)
1,550円
1,480円
乳牛去勢「B-2」 871円
(100.3%)
1,012円
(106.0%)
1,050円
1,050円

部分肉相場

1. R3年12月予測

首都圏仲間価格【税抜】
和牛:4等級 ホルス:2等級 交雑牛:3等級
和牛カタセット(スネなし):  4,500円 ホルスカタセット(同):  2,500円 交雑牛カタセット(同):  3.100円
和牛ロースセット(ヒレなし): 7,000円 ホルスロースセット(同): 3,000円 交雑牛ロースセット(同): 5,000円
和牛モモセット(スネなし): 4,400円 ホルスモモセット(同):  2,100円 交雑牛モモセット(同):  3,100円
和牛トモバラ:         2,200円 ホルストモバラ:      1,000円 交雑牛トモバラ:      1,500円

備考

国内生産量の推移(単位:千頭)
暦年 和牛計 交雑牛計 乳牛去勢計 成牛計
頭数 前年比 頭数 前年比 頭数 前年比 頭数 前年比
H29年 439.8 99.3 239.6 107.2 191.3 96.5 1,040.3 99.7
H30年 452.9 103.0 249.3 104.0 177.8 92.9 1,051.7 101.1
R 1年 457.8 101.1 236.7 94.9 167.9 94.4 1,038.6 98.8
R 2年 477.2 104.2 227.8 96.2 161.6 96.2 1,047.1 100.8
R 3年 7月 45.0 97.9 19.4 94.0 13.2 96.6 91.8 96.7
R 3年 8月 35.6 99.8 17.8 99.7 12.9 98.3 81.5 100.4
R 3年 9月 37.8 98.4 18.4 101.1 12.6 94.1 85.2 98.7
R 3年 10月 40.6 94.0 20.0 101.6 12.8 94.5 90.4 96.4
輸入量の推移(単位:千トン,%)
暦年 輸入数量合計 チルド数量 フローズン数量
数量 前年比 数量 前年比 数量 前年比
H29年 573 113.9 266 116.0 307 112.0
H30年 607 106.0 279 104.9 329 107.0
R 1年 615.0 101.3 275.0 98.6 340.0 103.6
R 2年 600 97.6 262 95.1 339 99.5
R 3年 6月 52.2 103.0 23.8 116.3 28.4 94.0
R 3年 7月 52.1 98.9 25.0 107.3 27.1 92.3
R 3年 8月 53.8 113.9 23.3 120.6 30.4 109.3
R 3年 9月 50.6 114.3 24.4 133.3 26.2 100.9
R 3年 10月 55.2 108.3 20.5 96.0 34.7 117.3

*財務省:通関実績

総務省:家計消費量(グラム,円,% )
暦年 全国1世帯当り
数量 前年比 金額 前年比
H29年 6,558 101.8 21,958 100.3
H30年 6,720 102.5 21,871 99.6
R 1年 6,558 97.6 21,178 96.8
R 2年 7,199 109.8 23,677 111.8
R 3年 6月 551 97.7 1,765 97.5
R 3年 7月 570 100.2 1,813 100.9
R 3年 8月 603 98.4 2,113 100.0
R 3年 9月 504 95.5 1,811 100.6
輸出量の推移(単位:トン、%)
暦年 チルド数量 前年比
H29年 2,706 141.7
H30年 3,560 131.6
R 1年 4,339 121.9
R 2年 4,845 111.7
R 3年 7月 692.2 162.5
R 3年 8月 724.0 160.1
R 3年 9月 740.0 146.8
R 3年 10月 646.6 100.1

※輸出数量は冷蔵品のみ

市況の推移 : 東京市場(税込み、単位:円 /㎏、%)
暦年 和牛去勢 A-5 和牛去勢 A-4 交雑牛去勢 B-3 乳牛去勢 B-2
価格 前年比 価格 前年比 価格 前年比 価格 前年比
H29年 2,817 98.8 2,472 94.5 1,496 89.0 993 97.8
H30年 2,808 99.7 2,474 100.1 1,523 101.8 1,039 104.6
R 1年 2,732 97.3 2,408 97.4 1,626 106.7 1,016 97.8
R 2年 2,459 90.0 2,103 87.3 1,398 85.9 924 91.0
R 3年 7月 2,654 112.0 2,352 116.4 1,577 120.6 1,026 111.9
R 3年 8月 2,555 107.4 2,228 109.3 1,569 113.5 977 110.1
R 3年 9月 2,653 109.8 2,296 110.4 1,494 113.6 993 120.1
R 3年 10月 2,750 104.4 2,331 100.0 1,402 99.2 871 100.3
R 3年 11月速報値 2,708 98.9 2,455 98.4 1,440 90.3 1,012 106.0

農水省食肉流通統計(速報値は農畜産業振興機構が公表する東京市場の平均枝肉価格)